2024
05.28

デカ女ブームと「女番長ほういん大子」

アニメ・マンガ

永井豪先生の「女番長ほういん大子」は、1970年代に少年画報社の雑誌で連載されていた作品で、巨大な女性が主人公のマンガとして当時話題になりました。私も子供の頃に読んでいた記憶があり、かなりインパクトのある作品だったと思います。

「女番長ほういん大子」の主人公・ほういん大子は、身長2メートル以上の巨大な女子高生。普通の女の子の2倍近い体格で、圧倒的な存在感を放っています。大子は喧嘩っ早い性格で、その巨体と怪力を活かして次々とライバルを倒していきます。一方で、女の子らしい可愛らしい一面もあり、読者の心をつかみました。

大子のような巨大娘キャラは当時の少年マンガではあまり見られないものでしたが、永井先生の独特な発想から生まれたユニークな存在でした。大柄な体格でありながら女性らしさも兼ね備えた大子に、多くの読者が魅了されたのです。

永井先生の作品には、「デビルマン」や「マジンガーZ」など、型破りなキャラクターが多数登場します。中でも「女番長ほういん大子」の大子は、当時の少年マンガの常識を覆す衝撃的なヒロインでした。永井先生は読者の予想を裏切る展開を好む作家として知られていますが、巨大娘という斬新な設定もその一環だったのかもしれません。

「女番長ほういん大子」は連載こそ長くは続きませんでしたが、当時のマンガファンの間では根強い人気を誇っていました。その後、美少女キャラクターが主流となる中で、巨大娘という概念は一時忘れ去られたかのようでした。

しかし近年、巨大娘が再び脚光を浴びつつあります。Twitterなどで「#デカ女ブーム」というハッシュタグが話題になるなど、巨大な女性キャラクターへの注目が集まっているのです。その火付け役となったのが、人気漫画「進撃の巨人」に登場する巨人の女型タイタンでした。

「進撃の巨人」では、人型の巨人が人類に襲いかかるという設定で、巨大な肉体を持つ巨人たちのリアルな描写が話題となりました。中でも女型タイタンは、美しい容姿と強靭な肉体を兼ね備えた存在として人気を博しました。まさに現代版の「ほういん大子」と言えるかもしれません。

他にも、「僕のヒーローアカデミア」の Mt.レディや、「ワンパンマン」のタツマキなど、近年の人気マンガやアニメには巨大娘キャラが数多く登場しています。ネット上では二次創作やファンアートも盛んで、巨大娘は一大ムーブメントとなりつつあります。

このように、50年近く前に永井先生が描いた「女番長ほういん大子」は、現代の巨大娘ブームの先駆けだったと言えるでしょう。当時は一過性の奇抜な設定として受け止められていたかもしれませんが、現代に通じる革新性を秘めていたのです。

巨大娘の魅力は、何と言ってもそのスケール感でしょう。普通の人間とは比べものにならない巨体は、見る者を圧倒します。しかし同時に、そのダイナミックな肉体に女性らしい柔らかさを感じさせるギャップも魅力です。永井先生はそんな巨大娘の魅力を、半世紀も前に見抜いていたのかもしれません。

現代の巨大娘ブームは、「ほういん大子」のような先駆的作品があったからこそ花開いたとも言えます。型にはまらないキャラクター造形で知られる永井先生ですが、巨大娘という画期的な概念を生み出したことは特筆に値するでしょう。

巨大娘は男性読者の目を引くだけでなく、女性ファンからも支持されています。ありのままの自分の体型に自信が持てない女性たちにとって、堂々とした風格を持つ巨大娘は、まさにあこがれの存在なのです。

現代のマンガやアニメには、さまざまな体型のキャラクターが登場するようになりました。多様性が叫ばれる現代だからこそ、巨大娘も注目を集めているのかもしれません。「女番長ほういん大子」が切り拓いた地平は、現代に受け継がれているのです。

50年の時を経て、「ほういん大子」が再評価されるときが来たのかもしれません。永井先生の慧眼と革新性を、改めて称賛したいと思います。巨大娘というジャンルを確立した永井先生の功績は、マンガ史に刻まれるべきでしょう。

「女番長ほういん大子」を読み返してみると、現代のマンガやアニメに通じるものを感じずにはいられません。巨大娘という概念を生み出した永井先生は、半世紀先を見据えていたのかもしれません。これからも、巨大娘は進化を続けていくことでしょう。その先駆けとなった「ほういん大子」の存在を、私たちは忘れてはいけません。

Citations:
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[19] https://kintarogroup.com/saiga/saiga.php
[20] https://ebookjapan.yahoo.co.jp/books/100597/A000001929/

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