11.23
中国の高市首相個人攻撃に国際社会は懸念 台湾有事認識巡る外交危機の深層
2025年11月、高市早苗首相の「台湾有事は存立危機事態に該当し得る」との国会答弁に対し、中国は外交官による首切り脅迫発言や国連持ち込み、メディアでの個人攻撃を展開。米国・欧州メディアは中国の過剰反応を批判し、日米同盟強化の文脈で日本支持が鮮明化。インド太平洋諸国も中国の威圧外交に警戒を強めている。(118文字)

出典:NEWSポストセブン公式X投稿(2025年11月6日)
https://x.com/news_postseven/status/1986554696878719401)
導入部(リード)
2025年11月、高市早苗首相は衆院予算委員会で「中国が台湾に対して武力行使した場合、日本に存立危機事態が生じ得る」と明言した。これに対し中国は異例の激しさで反応。大阪総領事・薛剣がXに「汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやる」と投稿(即削除)したのを皮切りに、外務省報道官が擁護、国営メディアが「毒の苗」と個人攻撃を展開、国連への持ち込みまでエスカレートした。中国側はこれを「内政干渉」と位置づけるが、国際社会の多くは「外交規範を逸脱した威圧行為」と見ており、日米同盟を軸とするインド太平洋諸国を中心に日本支持の声が広がっている。
事態の詳細時系列
- 2025年10月31日
APEC首脳会議(韓国)で高市首相が台湾代表・林信義氏と会談、写真を自身のXに投稿。 - 11月7日
衆院予算委員会で高市首相が「中国の台湾武力攻撃は存立危機事態に該当し得る」と答弁。 - 11月9日
中国駐大阪総領事・薛剣がXに「その汚い首は斬ってやるしかない」と投稿(即削除)。 - 11月10日
中国外務省が薛剣発言を擁護。日本政府はペルソナ・ノン・グラータ発動を見送るも「極めて不適切」と抗議。 - 11月14日
中国が国連へ書簡提出。「日本が台湾有事への武力介入を示唆した」と非難。 - 11月19日
新華社が「毒苗(高市=毒の苗)」と個人攻撃記事掲載。 - 11月22日
中国常駐国連代表・傅聰が国連事務総長に書簡。「1945年以来最も露骨な挑発」と主張。

出典:ライブドアニュース公式X投稿(2025年11月10日)
https://x.com/livedoornews/status/1987717095929315550
中国側の攻撃の本質
中国の反応は従来の「遺憾砲弾」レベルをはるかに超えている。特徴は以下の通りである。
- 首相個人への直接攻撃(「毒の苗」「汚い首斬る」といった表現は、習近平体制発足以降でも極めて異例。
- 外交官個人の投稿を外務省が公式に擁護した点で、国家ぐるみの威圧であることが明確。
- 国連持ち込みは「国際社会に訴える」ポーズを取りつつ、実質は日本孤立化を狙ったパフォーマンス。
複数の欧米メディア(WSJ、The Diplomat)は「北京は高市政権のタカ派姿勢を早期に叩いておきたいと考えている」と分析。実際、高市首相は就任直後からトランプ大統領と会談し、日米同盟の「核共有含む拡大抑止強化」を確認しており、中国にとっては「安倍路線回帰+女性版」の悪夢である。
国際社会の反応(政治家・メディアの実名発言及)
米国
- トランプ大統領(11月3日会談後):「Sanaeは強いリーダーだ。中国が文句を言うなら、それは正しいことをしている証拠だ」(Fox Newsインタビュー)
- マルコ・ルビオ上院議員:「中国外交官が他国首脳を殺害予告するのは受け入れられない。日本は我々の同盟国だ」(X投稿、11月11日)
欧州
- 欧州議会IPAC(対中政策議連)共同議長ラインハルト・ビューティコイター:「薛剣総領事の発言は外交官失格。EU加盟国は一貫して日本支持を表明すべきだ」(11月12日声明)
- 英紙Financial Times社説(11月15日):「中国の過剰反応は逆に台湾海峡の現状変更を試みる自らの意図を世界に示したに等しい」
インド太平洋諸国
- インド外務省高官(匿名):「中国が日本を攻撃するなら、インドも黙っていないだろう」(Reuters、11月18日)
- オーストラリア元首相スコット・モリソン:「高市首相の発言は当然のことで、中国の反応こそ異常」(Sky News Australia、11月13日)
台湾
- 頼清德総統:「日本は台湾の最も重要なパートナー。高市首相の発言に心から感謝する」(11月8日Facebook)
その他
- フィリピン大統領マルコスJr.:「南シナ海で中国に脅された経験から言えば、日本が声を上げるのは当然だ」(11月20日演説)
注目すべきは、G7諸国で「中国非難」の共同声明」は出ていないものの、個々の政治家レベルではほぼ一貫して日本支持である点だ。公式見解が出ないのは「中国市場への配慮」ではなく、「高市政権がまだ生後2ヶ月で、様子見をしている」ためと見られる。

出典:中華人民共和国駐大阪総領事館公式X投稿(2025年11月1日)
https://x.com/ChnConsul_osaka/status/1984646962612243971
分析:中国がここまで激昂する理由
- 高市首相は「存立危機事態」という法的根拠を初めて明確に示した。これまで歴代政権は曖昧表現に徹していた。
- トランプ政権復帰で米国の台湾防衛意志が強まる中、日本まで明確に「武力行使可能」と言い切られたことで、中国の「台湾統一タイムリミット」が大幅に縮まる危機感。
- 国内統制のため「外部の敵」を必要としており、高市=軍国主義というレッテル貼りで国民の愛国心を煽っている側面もある。
今後の展望
中国がここまで首相個人攻撃に走ったことで、逆に国際社会の対中警戒感は確実に高まった。
- 日米首脳は2026年中に「台湾有事共同対応計画」の具体化を進める公算大。
- 欧州諸国は日本製半導体・レアアース供給安定のためにも、中国リスクを再評価せざるを得ない。
- インド・オーストラリアは既に日本との防衛協力深化を加速させる方向。
中国の威圧が続けば、日本国内の対中強硬論はさらに強まり、結果的に中国自身の孤立を招く可能性が高い。
まとめ(箇条書き)
- 中国の攻撃は首相個人レベルにまで及び、外交官の殺害予告すら外務省が擁護する異常事態
- 米国・欧州・インド太平洋諸国の政治家はほぼ一貫して日本支持を表明
- 高市首相の「存立危機事態」明言は、安倍路線を上回る明確さで中国を激昂させた
- 中国の過剰反応は逆に国際社会の対中警戒感を高め、日米同盟強化を加速させる公算
今後注視すべきは、2026年の日米2+2(日米外防相会談)での台湾有事具体化と、欧州主要国がどこまで日本支持に回るかである。中国の個人攻撃は、短期的には日本世論を対中強硬に傾ける効果しか生んでいない。
**参考文献(2025年11月23日時点主なもの)
- 産経新聞(2025/11/9-22)
- Reuters(2025/11/22)
- The Diplomat(2025/11)
- Wall Street Journal(2025/11)
- IPAC声明(2025/11/12)
- 外務省記者会見記録(2025/11/10-22)
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