「2025年7月5日にフィリピン沖で隕石が落下し、大津波が発生する」という噂がSNSで急拡散。科学的根拠はあるのか、NASAやJAXAの最新情報を基に検証する。
噂の概要:2025年7月5日に何が起きるのか
2025年7月5日午前4時18分、フィリピン沖の海底で「隕石落下による大災害」が発生するという予言が注目を集めている。この情報は、漫画家たつき諒氏の書籍『私が見た未来』(1999年、完全版2021年)に由来し、SNSやYouTubeで過熱。関連動画は1000本以上、総再生数1億回を突破した。
主な主張
内容:直径不明の隕石がフィリピン海に落下し、大津波が日本や周辺国を襲う。
出所:たつき氏の予知夢や、一部で「NASAのOB情報」とされる投稿。
影響:香港や中国からの日本への旅行需要が減少し、経済的影響も出ている。
科学的根拠:NASAとJAXAの見解
NASAやJAXAは、2025年7月5日に地球に衝突する小惑星の存在を否定。以下は公式見解の要点だ。
NASAの発表
地球近傍天体(NEO)の監視を常時実施。
現時点で「2025年7月5日に衝突リスクのある天体」は観測されていない。
JAXAのコメント
JAXA宇宙科学研究所長・藤本正樹氏は、「天体衝突の噂に科学的根拠はない」と明言。
直径300m以上の危険な小惑星は事前に検知可能だが、該当する報告はない。
過去の事例
2024年9月4日、ルソン島上空で直径1mの小惑星が大気圏突入したが、被害はゼロ。
仮に隕石が落下しても、フィリピン海の深さ(平均5,400m)により津波の規模は限定的と推測される。
SNSの動向:隕石衝突の予言のデマと混乱の拡大
XやYouTubeでは、「NASAのOBが予言」「米軍が詳細データを持つ」などの投稿が散見されるが、いずれも裏付けがない。 特に、スピリチュアルな解釈(例:「5次元移行」「ホピ族の予言」)が混ざり、情報が錯綜している。
拡散の影響
専門家の警告:冷静な判断を
JAXA名誉教授・的川泰宣氏は、「監視機関が騒がない以上、衝突はない」と強調。 信州大学教授・菊池聡氏は、「終末論は陰謀論と通じ、過度な不安は不要」と指摘する。
【速報ポイント】
根拠なし:NASAやJAXAは2025年7月5日の隕石落下を否定。
注意喚起:SNSの情報は裏付けを確認し、デマに惑わされない。
防災意識:災害は予知不能。常時備えが重要。
まとめと今後の注目点
現時点で、「2025年7月5日フィリピン沖隕石落下説」に科学的根拠はない。NASAやJAXAの公式発表を信頼し、SNSの誇張情報に注意が必要だ。今後は、7月5日が近づくにつれ噂が再燃する可能性があるため、引き続き信頼できる情報源を参照してほしい。
タグ:速報, 隕石落下, フィリピン沖, 2025年7月5日, NASA, JAXA, デマ, ファクトチェック, 災害予言, 信頼性
参考文献
[1] Newsweek Japan, 「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る?, (2025年5月2日), https://www.newsweekjapan.jp/stories/2025/05/2025-75-jaxa.php [2] Space Biyori, 2025年7月5日に隕石が衝突?NASAの最新発表を交えて徹底解説, (2025年2月8日), https://spacebiyori.com/2025-07-05-meteor/ [3] NHK, 「7月5日」根拠なき“予言”が拡散 災害や地震 隕石説まで, (2025年4月26日), https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250426/k10014434761000.html