2025年12月3日と10日にフジテレビで生放送されるFNS歌謡祭。第1夜はMrs. GREEN APPLEやSnow Manらが出演、第2夜は浜崎あゆみやtimeleszが登場。タイムテーブルと歌唱曲を詳細に解説し、業界影響を分析。総勢50組超の祭典が年末エンタメの頂点を飾る。

出典:@oricon on X
フジテレビ系列で毎年年末に放送される「FNS歌謡祭」は、2025年も12月3日(水)と10日(水)の2週連続で生放送される。第1夜は18時30分から23時18分までの約5時間、第2夜は同時間帯から21時54分までの約3時間半を予定し、総放送時間は8時間半に及ぶ。司会は嵐の相葉雅紀氏と同局アナウンサーの井上清華氏が務め、多世代のアーティストが集結する音楽の祭典として位置づけられる。
このイベントが注目を集める背景には、J-Popの多様化とK-Popのグローバル浸透がある。2025年は昭和100年を記念したカバー企画も展開され、過去の名曲が現代アレンジで蘇る点が話題だ。記事では、出演者リストとタイムテーブルを基にステージの詳細を解説し、視聴率推移から見える業界動向を分析する。結論として、デジタル配信の拡大が今後の鍵となる。
第1夜のステージ全貌: タイムテーブルと歌唱曲の詳細
2025 FNS歌謡祭第1夜は、総勢40組以上のアーティストが出演し、ソロパフォーマンスから異ジャンルコラボまでを展開する。放送はフジテレビ系列全国ネットで、TVerでの見逃し配信も予定されている。以下に、五十音順で主な出演者と歌唱曲を挙げる。
- AI「I Wanna Know」
- AiScReam(詳細曲未発表)
- ASKA「YAH YAH」
- Ado「ルル」
- 生田絵梨花「Everytime」
- =LOVE「絶対アイドル辞めないで」(中島健人氏とのコラボ)
- ATEEZ「Guerrilla」
- Aぇ! group「Chameleon」
- ガチャピン・ムック(スペシャルゲスト)
- Kis-My-Ft2「Luv Bias」
- CUTIE STREET(詳細曲未発表)
- 工藤静香「嵐の素顔」(スキマスイッチ氏とのコラボ)
- 近藤真彦「ヨコハマ・ホンキートンク・ブルース」(大野雄大氏、宮野真守氏とのコラボ)
- THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「SWITCHING」
- THE ALFEE「星空のディスタンス」
- JAEJOONG(ジェジュン)「Gene」
- シナモロール&リトルツインスターズ「君は天然色」(乃木坂46菅原咲月氏、小川彩氏、井上和氏、筒井あやめ氏とのコラボ)
- スキマスイッチ「奏(かなで)」(工藤静香氏とのコラボ)
- Snow Man「Dangerholic」
- Da-iCE「CITRUS」
- 超ときめき◆宣伝部「YOUNG MAN」(有岡大貴氏、知念侑李氏とのコラボ)
- TWS「plot twist」
- DOMOTO「愛のかたまり」
- 徳永英明「壊れかけのRadio」
- TREASURE「BOY」
- 中川晃教「O mio babbino caro」
- 中島健人「絶対アイドル辞めないで」(=LOVEとのコラボ)
- Number_i「GOAT」
- 乃木坂46「ビリヤニ」
- HANA(詳細曲未発表)
- はぴだんぶい「はぴだんぶい!!!」
- Perfume「Future Pop」
- パペットスンスン(スペシャルパフォーマンス)
- 浜崎あゆみ「Voyage」
- 平手友梨奈「魔法」
- FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」
- Hey! Say! JUMP「encore」
- 『ミス・サイゴン』2026カンパニー(ミュージカルメドレー)
- 水谷千重子「知床旅情」(野口衣織氏とのコラボ)
- Mrs. GREEN APPLE「ダーリン」
- ミャクミャク(スペシャルゲスト)
- 宮野真守「楽園ベイベー」(近藤真彦氏とのコラボ)
- LiSA「HADASHi NO STEP」
- RIP SLYME「One」
- Little Glee Monster「Over」
タイムテーブルは生放送の性質上、若干の変動を許容するが、公式発表に基づく目安は以下の通り。18時30分頃のオープニングから、キャラクターコラボやアイドルグループの連続パフォーマンスが序盤を盛り上げ、後半はベテランアーティストの情感豊かなステージへ移行する。
- 18:30頃: はぴだんぶい「はぴだんぶい!!!」、超ときめき◆宣伝部×有岡大貴・知念侑李「YOUNG MAN」
- 19:00頃: シナモロール&リトルツインスターズ×乃木坂46「君は天然色」、DOMOTO「愛のかたまり」、Hey! Say! JUMP「デカメロン伝説」
- 20:00頃: Number_i「GOAT」、=LOVE×中島健人「絶対アイドル辞めないで」
- 21:00頃: 乃木坂46「ビリヤニ」
- 22:00頃: Hey! Say! JUMP「encore」、Ado「ルル」、Mrs. GREEN APPLE「ダーリン」
この構成は、若年層向けのポップでビジュアル重視のステージを前半に集中させ、中高年層の心を掴むバラードを後半に配置した戦略を示す。キャラクターとのコラボは、家族視聴を意識した工夫であり、2025年のテーマ「夢の祭典」に沿った多層的なエンターテイメントを提供する。
コラボレーションの深層: 異ジャンル融合がもたらす革新
FNS歌謡祭の魅力は、単独パフォーマンスを超えたコラボレーションにある。2025年第1夜では、アイドルとミュージカルの融合が顕著だ。例えば、『ミス・サイゴン』2026カンパニーのメドレーは、ブロードウェイ級の歌唱力をJ-Popの即時性で昇華させる。平手友梨奈氏の「魔法」は、ロック要素を加味したアレンジで、過去のソロ活動からの進化を象徴する。
背景として、音楽業界のデジタルシフトが挙げられる。SpotifyやYouTubeでのグローバル配信が増加する中、FNSは生放送の「一過性」を強みに、TikTok映えする短尺コラボを増やしている。工藤静香氏とスキマスイッチ氏の「嵐の素顔」カバーは、1980年代のアイドルポップを現代フォークに再解釈し、世代間ギャップを埋める役割を果たす。
分析の観点から、こうしたコラボのメリットは多岐にわたる。まず、露出効果: 若手アーティストのファン層をベテランに波及させる。一方、デメリットとして、過度なクロスオーバーが各アーティストの個性を希薄化するリスクがある。他国比較では、米国の「American Music Awards」ではジャンルミックスが標準だが、視聴率はストリーミング競合に押され10%前後。一方、韓国「MAMA」はK-Pop中心でグローバル視聴者を確保し、2024年はオンライン視聴が全体の40%を占めた。FNSはこれを参考に、ATEEZやTREASUREのK-Pop勢を起用し、国際視野を広げている。

出典:FNS歌謡祭公式アカウント @fns_kayousai on X
第2夜の展開: 昭和カバーと新世代の対峙
第2夜は第1夜の延長線上で、昭和100年名曲カバーを軸に据える。出演者は23組を超え、timelesz「Koi」、浜崎あゆみ「M」、SUPER BEAVER「らしさ」、LiSA「炎」、RIP SLYME「楽園ベイベー」、IMP.(詳細未発表)、ILLIT「Magnetic」、幾田りら「君色思い」、JO1「SuperCali」、King & Prince「I promise」、SixTONES「NAVIGATOR」、ポムポムプリン&マイメロディ(スペシャル)、WEST.「ええじゃないか」、柴咲コウ feat. LITTLE(KICK THE CAN CREW)「恋のダウンロード」、DISH//「猫」、デーモン閣下(聖飢魔II)「蝋人形の館」、新浜レオ「雪國」、Kis-My-Ft2「Luv Bias」など。
タイムテーブルは以下の通りで、第1夜よりコンパクトながら、グループパフォーマンスの密度が高い。
- 18:30頃: ILLIT「Magnetic」、幾田りら「君色思い」
- 19:00頃: Mrs. GREEN APPLE「ダーリン」、ASKA「YAH YAH」、Da-iCE「CITRUS」、平手友梨奈「魔法」
- 20:00頃: timelesz「Koi」、浜崎あゆみ「M」、SUPER BEAVER「らしさ」
- 21:00頃: 昭和100年名曲カバー(詳細グループ別)
昭和カバーの背景は、2025年の節目意識だ。例として、Kis-My-Ft2が松田聖子氏のヒットをカバーすれば、1980年代のアイドル遺産を令和のダンスミュージックで継承する。分析では、この企画が業界に与える影響は大きい。メリットとして、著作権管理の進化(JASRACのデジタル対応強化)により、低コストで名曲活用が可能に。一方、デメリットはオリジナル尊重の観点から、過剰アレンジがファン離れを招く可能性がある。
他社比較では、NHK紅白歌合戦は伝統重視で視聴率15%前後を維持するが、FNSはエンタメ志向で柔軟。グローバルでは、英国「BRIT Awards」のカバー企画が若手ブレイクを促進し、2024年の売上10%増に寄与した。FNS第2夜は、JO1やSixTONESの起用で、eスポーツ世代の取り込みを図る。
視聴率推移と業界影響: 低下傾向の裏側と未来戦略
FNS歌謡祭の視聴率は、2015年の18.2%(SMAP×嵐コラボ話題)から2024年の推定12%前後へ低下傾向を示す。主因は若年層のテレビ離れで、AbemaTVやNetflixの台頭が影響。2017年14.5%、2018年13.8%と、動画配信の伸長が加速した。
多角分析では、メリットとして生放送の臨場感がSNS拡散を促し、2024年X投稿数は前年比20%増。デメリットは、コロナ禍後のリモート視聴減少で、地方世帯の取り込みが課題。他国では、米「Grammy Awards」のストリーミング同時配信が視聴者数を2倍化。FNSはTVer活用で対応するが、グローバル配信(Netflix提携)の不在が弱点だ。
業界全体への波及は、コラボ増加による楽曲チャート活性化。2024年Billboard JapanでFNS関連曲がトップ10の30%を占めた。2025年はK-Pop勢の参戦が、国内市場の多文化化を加速させるだろう。
- 出演者構成: 第1夜40組超、第2夜23組超。J-Pop、K-Pop、ミュージカルのクロスオーバーが特徴。
- タイムテーブル: 第1夜は5時間超の長丁場でコラボ中心、第2夜は昭和カバーで情感重視。
- コラボの意義: 世代融合がファン層拡大に寄与するが、アレンジのバランスが鍵。
- 視聴率分析: 低下傾向ながら、デジタル施策で回復余地あり。
今後の展望として、2026年はVR配信の導入が予想され、海外視聴者を倍増させる可能性がある。次に注視すべきは、AI生成楽曲のステージ活用で、音楽制作の革新を促すだろう。FNS歌謡祭は、年末エンタメのベンチマークとして進化を続ける。
参考文献
- フジテレビ公式サイト: https://www.fujitv.co.jp/FNS/index.html
- ORICON NEWS: https://www.oricon.co.jp/news/2422316/
- モデルプレス: https://mdpr.jp/music/detail/4689969
- ナタリー: https://natalie.mu/music/news/650558
- Yahoo!ニュース(CINRA記事): https://news.yahoo.co.jp/articles/6454e458dc7175a18cf99d7f04cce1d40c890e3f
- X投稿(@oricon): https://twitter.com/oricon/status/1996146196994297917
- 視聴率データ: ビデオリサーチ過去ランキング https://www.videor.co.jp/tvrating/past_tvrating/music/01/post-14.html

